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津田信『小野田少尉との三ヵ月「幻想の英雄」』感想

投稿日:2021年9月24日 更新日:

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『小野田少尉との三ヵ月「幻想の英雄」』を読みました。
 面白かった点は(文章化されている時点で、脚色や修正はある点は差し引いても)、等身大と思われる小野田寛郎像を知ることが出来るところ。
 小野田寛郎さんの他者に対する興味のなさみたいな観察眼は興味深かったです。
 著者が手記の執筆のため、色々と当時の心境を聞いても小野田寛郎さんは「別に…」としか答えないとか。
 小野田寛郎は元祖沢尻エリカです。

 小野田家族の内情も面白かったです。
 長兄(医者)との仲が悪く、親との関係も悪く、特に次男(小野田格郎)の長男に対する態度とかは、あるあるなのかなーと思いました。

 著者の津田信という人はクセが強いと感じました。
 芥川賞や直木賞の候補に何度もなりながらも受賞を逃したのは、本人の人柄とか性格とか考え方とか、他者への接し方とか、そういうところに原因があるのではと感じました。

 序盤、手記執筆のため寝泊まりしている屋敷において、著者が自分で淹れたコーヒーを飲む場面があります。
 小野田寛郎さんの次男にそのコーヒーを勧めたところ、次男は「コーヒーが薄い」との感想を漏らします。「どうして日本のコーヒーはこう薄いんだろう」(次男はブラジルに移住)
 速記の女性がやってきて、著者はコーヒーを勧めます。「あまり美味しくないけど」と付け加えます。
「薄い」を「美味しくない」に改編しています。
 物事を悪いようにとる人間なんだなと感じました。
 こういう人間はめんどくさいです。

 後半、手記に関しての修正で、陸軍中野学校での座学の様子を「すし詰め」と書いたら、描き直してくれと言われ、著者はこれこれこういう理由で「すし詰め」と書いたんです、とこだわりを見せますが、かなり強く反発されたそうで、恨みたらたらに書いていますが、正論を通したところで「ああそうですか」となるとは思えません。
 著者は意地が悪いです。
 それらの点を考えると、本書の信憑性にも疑問符がつくかなと感じました。
 誠実であれば信憑性があるのかというとまた違いますが。
 主観が強すぎて、どうも客観的のものの見方をしていないように見受けられます。

 ただ、小野田寛郎さんは、この著者の津田信さんの経歴などに興味を示さなかったそうで、そこら辺は津田新さんに同情するというか、反感を抱いても仕方がないかなとも思いました。
 こちらは根掘り葉掘り聞いていて、つまりボールを投げているのに、あちらは全くボールを投げ返さないのは、信頼関係は築けないと思います。

 ルバング島に潜伏していた小野田寛郎がどんなふうに考えていたのかについて、終戦を知らなかったのか、本当に作戦を継続していただけなのか。
 それとも島民を殺傷したせいで、その島民の報復が怖くて逃げ回っていただけなのか。
 実際のところは分からないけど、津田信という人は、ここに主観を入れてしまっていると感じました。
 思考を論理的に組み立てて、だからこうなるはずだという考え方は、一見、正しいように思えますが、現実はもっと混沌としているものです。
 だから、小野田さんの、戦いが終わったことを知らず、投降の呼びかけも敵の工作であると考えたのも、それほど変とは思いません。

 個人的には、終戦はうすうす分かっていたけど、どうしようもないから潜伏を続けていたのではないかと思います。

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