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漫画「ベルセルク」37巻の感想――「遠い日の春花」が良かった

投稿日:2016年8月7日 更新日:

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騎士

ベルセルク37巻

 ベルセルクの37巻を読みました。
 回想場面の「遠い日の春花」は、久々に読み応えのある小ストーリーだったと思います。
 けど、少し唐突という気も。
 あの話は伏線に違いないと言う人もいますが、さもありなんですね。
 確かに続刊で、あのチッチという妖精が出てくるかもしれません。
 じゃないと、あの回想場面はなんだったの? ということになるので。

「遠い日の春花」のストーリーを説明します。
 ガッツがまだ傭兵だった頃の話。
 回想場面の回想(ややこしい)で、ガンビーノも出てきます。

 ガッツの陣営は負け戦でした。
 ガッツは捕虜として連行されます。
 どうやら怪我をしていて、体力は万全ではありません。
 同じ捕虜でマルティノというおっさんがいて、ガッツの世話を焼きます。
 ガッツは「売りはやらない」と宣言します。
 なんだっけ、あのデブの、ドノパンだったか、ガンビーノに売られて、オカマを掘られたエピソード(ベルセルク4巻)がありましたが、それをちらっと思い出しました。

 ガッツにとって、マルティノが世話を焼いてくれる理由が分からない訳です。
 で、マルティノがホモなんだろうと推察して「売りはやらない」と言うわけです。

 マルティノは、ガッツに冷たくあしらわれても、気分を害する様子もなく、一期一会的なことを話します。
 ガッツがなんとなく心を許しかけた頃、ちょうど城の手前に差し掛かりました。
 マルティノは、ガッツの手かせを解き「逃げろ」と言います。
 ガッツは借り必ず返すと言って、逃げ出します。けど、怪我のせいなのか、追っ手に呆気なく捕まってしまう。
 マルティノはその騒ぎに乗じて逃げ出したのでした。つまり、ガッツをオトリに使ったわけです。
 ガッツ青い、という感じですね。マルティノが何枚も上手だったということでしょう。

 ガッツは城に連れて行かれ、牢獄に入れられます。
 子爵(城主?)と呼ばれる男性が会いに来て、明日息子と試合をしろと命じます。
 息子は初陣が近い。
 景気づけのために誰かを血祭りに上げたい。
 その相手にお前を命じよう、とのこと。

 牢獄でガッツがひとり過ごしていると、花の妖精が現れます。
 最初に牢獄に入れられたとき、ネズミがいて、そのネズミが花をかじろうとしていたところ、ガッツがそのネズミを捕まえて、食べました。
 つまりガッツは花の精にとっては命の恩人というわけです。

 ガッツは、幻覚を見ていると思っている様子ではありますが。
 花の妖精はチッチと名乗り、ガッツの怪我を癒やしてくれます。
 ひとりで寂しいとチッチが言うと、ガッツは、城の近くに丘があり、そこにお前の仲間がたくさんいるから連れて行ってやると言います。

 翌日、ガッツは子爵の息子と試合をします。
 ガッツは空腹で、怪我も完全には癒えてないし、おまけに剣は刃が潰してあります。
 若干危ない部分はあるけれど、その息子を打ち倒し、人質にとって、城から逃げだそうとします。
 そこに、完全武装のマルティノたちが急襲をかけます。
 逃げ出したマルティノは部隊を引き連れて戻ってきたわけです。
 ガッツは城から去り、牢獄に咲いていた花を丘に持っていきます。

 チッチがカワイイ。
 ほろりと来るストーリーです。

 けど……あえて、苦言を申すというわけでもないんですが……ネズミが可哀想だと思いました。
 食べられるだけの存在って……。

 チッチはカワイイ。けどあざとい。
 必要以上に擬人化(といっていいのか分かりませんが)して、幼女っぽく描くというのはどうなのか……。
 チッチが小汚い格好の中年男性だったとしたら、物語として成立しないのは分かります。
 だからこそ、否応なく、チッチの存在は、物語というものを意識させられる。
 漫画に限らず、小説でも、映画でもドラマでも、それが作られたものである、ということが分かったとき、感情が白けてしまいます。
 もちろん、フィクションなのは分かっているけど、できるだけ、そのフィクションというものを感じさせないで欲しい。

 とは言っても「遠い日の春花」は、久々に読み応えのあるエピソードであったのは間違いありません。
 ベルセルクは本流のストーリーよりも、今回の回想みたいな話のほうが面白いと思います。
 さっさと本編を完結させて、外伝みたいなエピソードを出せばいいのに。

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