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旧日本軍における体罰はどのような意味があったのか

投稿日:2016年2月26日 更新日:

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 高野秀行さんの「世にも奇妙なマラソン大会」読みました。
 ノンフィクション短編集です。
 表題にもなっているマラソン大会は、西サハラで開催されたフルマラソンに高野さんが出場したときのお話。これは中編で、一番分量がありました。
 ほか9作品が収録。
 
 以下が収録タイトルです。
●世にも奇妙なマラソン大会
●ブルガリアの岩と薔薇
●名前変更物語
●謎のペルシア商人
●中米の種付け村
●it
●沖縄の巨人
●犬好きの血統
●人体実験バイト
●二十年後

 小粒が多いかな、という印象で、あまり「おお、これは面白いね!」というのは少なかったのですが、後半に収録されている「人体実験バイト」は、短い話ながらも、心に響くものがありました。
 これを読めただけで、この本を買った意味があったと思えたくらい。

旧日本軍の兵隊は、下士官から理不尽な暴力を受けていた

 旧日本軍は、陸軍も海軍も、下っ端の兵隊の扱いは相当悪かったらしく、なにかあればビンタされたり、棒で叩かれたりしたそうです。
 坂井三郎さんの「大空のサムライ(上) 死闘の果てに悔いなし (講談社+α文庫)」にも、確かそんなことが描いてありました。
 また、ドラマや映画でも、兵卒が下士官からぶん殴られるのはおなじみのシーンだと思います。

「人体実験バイト」は、高野さんが、治験のバイトをしたときのお話です。
 治験のバイトの責任者が老人で、若いときは旧日本軍の将校でした。
 白鳥さんという名前です。
 高野さんが、その白鳥さんから、軍隊時代のことを聞きます。
 白鳥さんは京都帝国大学を卒業して陸軍に入ったので、最初から将校でした。
 おそらく、少尉(もしくは少尉候補生の曹長)からのスタートでしょう。
 少尉だから、軍隊の経験が浅くても、殴られるようなことはありません。
 けれど白鳥さんの部下の下士官は、兵隊をめったやたらと殴ったそうです。
 殴られる兵隊はたぶん、白鳥さんと、そう年は変わらなかったはず。
 白鳥さんは、自分と同年代の兵隊が殴られるのを何度も目撃し、こんな理不尽なことがあっていいのかと疑問に思ったそうです。

 あるとき、師団長の講話を聞く機会がありました。
 講話の最後、師団長は「何か聞きたいことがあるか」と皆の顔を見回します。
 白鳥さんは意を決して、下士官が兵隊を殴るのは無意味ではないのかと聞きます。
 周りは、ざわめきます。白鳥さんの上官は青ざめます。
 けど師団長は落ち着いた声で言ったそうです。
「おまえは、入隊してどのくらいだ」
 白鳥さんが、半年ですと答えると、師団長は頷き、だったらまだ分からない。そのうち分かる。戦地に行けば分かる、と告げます。

 白鳥さんは満州に配属となりました。
 白鳥さんは同期と一緒に、馬に乗って駐屯地の周りの田舎道を歩いていました。
 すでに戦闘は終わっており、平和なはずでした。
 突然銃声が響いて、同期が倒れます。
 さっきまで普通に話していたのに、その同期は一瞬後には死んでしまいました。
 ゲリラが狙撃したのです。
 このとき、白鳥さんは師団長の言葉を思い出し「わかった」そうです。 

 つまり、戦争は理不尽なのだ。
 そこに意味や理屈はない。
 理由もなく兵隊を殴るのは、その理不尽さを体に覚えさせるためなのだ。

 ――なるほど、そういう意味があったのかもしれない、と思いました。
 これが唯一の答というわけではないと思うけど……。

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